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レビュー:あ、また死んだ。 アサシンクリード:アルタイルクロニクルズ

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タイトル:アサシンクリード:アルタイルクロニクルズ
ディベロッパー:Gameloft
プレイ時Version:1.2.3
ジャンル:アクション
価格:600円

家庭用ゲームとして発売されたアサシンクリード2のスピンオフ作品。
アサシンクリード2のゲームが始まる前のストーリーになる。
もともとPS3など家庭用機用のシリーズをDSに落し込み、それをさらにiPhoneに移植といういまどき珍しい無茶移植。


てんこ盛りアクション
このゲームは家庭用機のゲームを携帯機に落とし込んだもの。
家庭用機と比べると「群衆に溶け込む」などのマシンパワーが必要な要素が削られており、戦闘とアスレチックのようなマップを踏破するアクションがメインとなっている。
しかし、それでもアクションの豊富さは家庭用に負けない。
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壁をよじ登ったり、3段ジャンプ、高所でバランスをとりながら細い道を歩くなどアクロバティックなアクションの数々。
敵の視線に入らないように近づき背後から暗殺する一撃必殺システム。
剣、鉤爪、爆弾、弩など異なる6つの武器を駆使した戦闘アクション。
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そして、これらはアクションシーンでも使用できる(例えば、鉤爪は遠くの敵に引っ掛けて手繰り寄せることに使えるが、アクションシーンではこれを使って遠くまでジャンプできる)。
iPhone/iPod touchのゲームはアクションを絞り込んで操作の負担を少なくする傾向があるが、もともとDSのゲームなのでそういった配慮が一切無いてんこ盛り加減。
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他にも敵のツボを突いて自白させたり、気付かれないように財布からアイテムを盗むミニゲームや、変装しての侵入ミッションまである。

死、また死。
このゲーム、爽快感はないものの戦闘は慣れれば普通にできる。
ボタンの組み合わせで連続技・敵の攻撃に合わせて防御して反撃できるシステムはそこそこ良い。
しかし、もう1つのメインであるアスレチックアクションは厳しすぎる。
DSの操作性を前提に作られているものをそのままプレイしているせいか、ちょっとした操作ミスが命取りになるし、移動しようとしていない箇所に移動してしまうこともしばしば。
壁向きに歩くだけでよじ登り始めるので、細かい操作が苦手なバーチャルパッドだとアクションの暴発も多い。
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それだけでなくステージもアスレチック的な細い道だけでなく、鉄球が据え付けられていたり即死級のダメージを受ける炎の柱があったりと単調ではないが殺意に満ちている。
ジャンプ位置のミスで、ボタン押し間違いで、細かい操作のミスで、とにかく死ぬ。
水流で死に、火に焼かれて死に、ジャンプタイミングミスで死に、間違って建物から落ちて死に…。
セーブポイントが細かいのでぎりぎりやっていられるものの、アクションゲームが苦手なプレイヤーは間違いなくクリアする前にリタイアだ。
ミニゲームはともかく、全ての箇所でスムーズには進まない。
後半のステージで10回程度のリトライ回数でクリア出来れば上出来といったところ。
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最後までクリアしたものの、印象に残ったのはストーリーでもゲームプレイでもなく、この画面であった。

iPhoneでなければ…
終盤まで徐々に武器やステージギミックが増えていき、飽きさせずに、無理せずに学習していける作りは親切で、かつアクションシーンでも細かく移動指示が出るため迷うことは少ない。
戦闘も、豊富なアクションもきっちり操作できている間は楽しい。
かなりのボリュームがあり、きれいなグラフィックできっちり動く。
しかしながら操作ミスをせずにこのゲームをプレイすることは不可能に近い。
元となるゲームもシビアだったが、それ以上にタッチパネル操作から来る不自由な操作が難易度を上昇させている。
「あそこでジャンプすれば大丈夫なのに!」
と分かっていても失敗することが多々ある。
DSであれば問題なかったかもしれないが、iPhoneでこのゲームをプレイするのはかなりハードコアなアクションをプレイすることに等しい。
つまらないわけではないが、非常にストレスが貯まる。
セーブ地点は大量にあるが、時折正しくセーブされていないことがあるのもまたストレスを助長する。
出た当時は「iPhoneでここまでのゲームが出来る」という、技術的な満足感を楽しむ側面があった。
今となっては残念ながら操作に難のある、「タッチパネルで無理をしてしまったゲーム」と言えるだろう。
それでも、家庭用では語られないストーリー目当てのアサシンクリードファンか、アクション好きな方が安く売っている時に購入すれば損した気分にはならないはず。


トシの評価(5段階)
レビュー執筆時点では115円になっているので、アクション好きの方なら試してみてもいいだろう。
元となるDS版のゲームはそこそこの評判だった。
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ファミコン時代のようにやたらに死にながらでも、セーブ地点自体は大量にあるのでなんとかクリアは出来るはず。
ただ、私自身115円で買ったもののあまりに死ぬので投げ出しかけた。
ジャンプのタイミング一つで何度死んだことか…。
定価で買うのは今更辛い。

総合:2.0(良くはない)
+ゲームシステムは分かりやすい親切設計
+ボリューム・仕掛けが豊富
-タッチパネルでプレイするには難易度が高すぎる。
-すぐ死んで再ロード。
-ホームボタンで終わるとセーブ地点より前に戻されることがある

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