ゲームキャスト

面白いゲームを探すなら、ここ。

レビュー Pocket World At War

pocketworldatwar02
タイトル:Pocket World At War
ディベロッパー:Prolific Games Inc.
プレイ時Version:1.0
ジャンル:戦略シミュレーション
価格:115円
Pocket World At Warの詳細はこちら(itunes)

第二次世界大戦、ノルマンディー上陸作戦からバルジの戦いまでのヨーロッパ戦線をを題材とした戦略シミュレーションゲーム。
連合軍指揮官として部隊を動かし、敵を壊滅させるのが目的。
簡単操作で1ステージ10~15分で終わるが、見た目シンプルさに反してかなり歯ごたえのある戦略シミュレーションになっている。


簡素な見た目
戦争ものRTSだが、このゲームはとにかく簡素。
簡易上空写真のようなマップに、矢印で示される部隊がいるだけだ。
部隊も3種類しかおらず、そのパラメーターも移動力と兵力(HPに相当する)、モラル(時間と共に回復する)しかない。
部隊をドラッグすると矢印で移動経路が表示されて移動を開始するが、操作方法はそれが全て。
pocketworldatwar03
ルールもシンプルで、部隊同士がぶつかれば移動を停止して攻撃(攻撃を受けると兵数とモラルにダメージを受ける)、兵数がなくなると部隊が消滅、モラルがなくなると時間経過でモラルが回復するまで敗走状態(一方的に攻撃を受け、反撃できない)となるぐらい。
特殊ルールとして、側面攻撃(2部隊以上で1つの部隊を攻撃すると、2部隊目からは反撃を受けずに一方的に攻撃できる)、砦(歩兵は砦にいると防御力が上がる)があるだけ。
敵の全部隊を消滅・敗走状態にすれば勝利だ。


兵力が足りません!
このゲーム、見た目とパラメーターの簡素に比べ、内容はかなりハード。
全15のマップにおいて兵力は常に相手より少ない状態から開始する。
兵力が高い方が部隊に与えるダメージが大きくなるのでまともにぶつかっては絶対に勝てない。
幸い、モラルに与えるダメージは兵力にかかわらず同程度のため、このルールと側面攻撃を上手に使いこなして爪に火をともす思いでやりくりすることになる。
集中攻撃で敵を敗走状態にして数を減らし、回復して戻ってくる前に残り敵部隊を敗走させ…操作は移動だけのゲームなのに微妙な位置取りと管理が要求される。
敗走中の敵を追撃して消滅させるか、それとも別の敵に攻撃させて側面攻撃をするのか。
1部隊を全滅させても敵を引きつけ、別の他方で敵を殲滅するのか。
状況に合わせてシビアにリスクとリターンを判断しなければならない。
(例えば下の図では1部隊を囮にして残りの部隊で4VS3で戦い、最終的に戦局を有利にしている)
pocketworldatwar01
集中してプレイしなければいけないハードなゲーム。
1ステージは短いのに、決して気軽にプレイとはいかない。


楽しめるのだが…
最初に言っておくと、このゲームは戦略シミュレーション好きなら値段分はきっちり楽しめる一作だ。
味方部隊同士が移動中に交差すると双方とも干渉しあって動けなくなる、15ステージで終わってしまうなど難点はあるが、115円以上の価値は見いだせるだろう。
特に評価Goldを目指してのプレイは歯ごたえ抜群だ。
pocketworldatwar04
ただし、先にも書いたとおり難易度が高いのでこのジャンルが好きな方以外はお勧めしない。
見た目のシンプルさもあり、かなり人を選ぶゲームだ。


トシの評価(5段階)
ボードゲーム的で気軽に楽しめるものを期待していたら、ハードなやりごたえのRTSでカウンターパンチを食らった一作。
単純なルールで難しい駆け引きが楽しめる点は大いに評価できる。
個人的にはもっと兵種を増やしてステージを増やしたものや、対戦プレイが出来るバージョンをプレイしてみたい。

総合:2.5(楽しめる)
+簡単な操作にシンプルなルール
+高い戦略性
-AIがシンプルすぎる